ゴッホやモネなど、世界的な画家にもインスピレーションを与えた浮世絵。日本らしい大胆な構図と色使いがとても印象的ですよね。そこで今回は、浮世絵のモチーフとなった都内近郊の5スポットを大調査!約200年前と今の風景を比べてみましょう。
浮世絵とは?
浮世絵とは、江戸時代(1603年~1868年)に成立し、江戸(現在の東京)の庶民を中心に発達した絵画様式。肉筆画と木版画(※)で表現され、主なテーマは庶民の生活や流行でした。
しかも、当時の浮世絵1枚の価格はそば1杯分ほど!これなら庶民も気軽に購入できますね。
今回ご紹介する葛飾北斎(1760年~1849年)と歌川広重(1797年~1858年)、歌川国芳(1798年~1861年)の作品も、江戸の庶民になじみ深い東京近郊の場所。それでは、彼らの描いた景色の200年後の姿を、作品とともに見ていきましょう。
※肉筆画…筆で描かれた絵画、木版画…木製の原版によって制作される版画
1. 葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(神奈川付近の東京湾)
「冨嶽(ふがく)三十六景」は、富士山が望める景色を描いた葛飾北斎の代表作。初めは題名の通り36図でしたが、とても人気があったため後から追加され、最終的に46の作品が残っています。
迫力ある荒々しい波ですが、本当にこんなに波が高い場所なのでしょうか?
この風景は、一説では北斎が東京湾を進む舟の上から見たものであると言われています。この景色を見るのにぴったりなのが、神奈川県と千葉県を結ぶ東京湾アクアライン。神奈川側は約9.5kmのトンネル、千葉側は約4.4kmの橋になっていて、その間には海ほたるパーキングエリアがあります。ちなみにこのトンネルは世界最長の海底道路トンネルなんですよ。
見た目には波はそれほど高くありませんが、船上では少しの波でも高く感じられるもの。この波の高さは北斎の体感なのかもしれませんね。

2. 葛飾北斎「青山円座松」(青山・明治神宮前)
こちらも「冨嶽三十六景」の「青山円座松」。原宿村の龍巌寺(りゅうがんじ)境内にあった大きな松は当時の観光スポットで、その枝の長さは約5.6mとも伝えられています。絵の中でも、富士山と松を楽しんで酒宴が開かれていますね。
こちらの浮世絵の舞台は、現在の渋谷区神宮前。ライターはあの原宿が「村」であったことに驚きました。円座松は失われているものの、龍巌寺は今もあります。新国立競技場から徒歩15分ほどの場所ですが、境内の観光はできないので外から山門だけ見学しましょう。

3. 歌川広重「増上寺塔赤羽根」(港区芝の増上寺)
江戸時代、代々将軍となった徳川家の菩提寺(ぼだいじ・先祖の墓があり、葬礼・仏事を行う寺)として栄えた増上寺。色のコントラストがとても鮮やかな浮世絵ですよね。
広重が描いた五重塔は第2次世界大戦で焼失してしまい再建されていませんが、今ではそのすぐ近くに赤い東京タワーが立っています。横を流れていた川は、高速道路の下を流れていますよ。
増上寺は今も東京タワーのそばにあり、600年の歴史を持つ由緒ある寺院。東京タワーへ立ち寄る際には、ぜひ広い境内も歩いてみてください。

4. 歌川広重「名所雪月花 井の頭の池 弁財天の社雪の景」(井の頭恩賜公園)
歌川広重の作品に使われる藍色(あいいろ)は、ヒロシゲブルーとも呼ばれる美しい青。周囲の雪景色が、藍色のグラデーションを引き立てます。雪の降る日の静けさが感じられて、ライターも大好きな浮世絵です。
「井の頭(全ての井戸のトップの意)」とは、江戸の町に飲み水を供給する上水の根源であったことから3代将軍・家光が命名しました。現在の井の頭池は湧水ではなく地下水をくみ上げていますが、弁天堂や地形もほぼそのまま残っているので当時の面影を感じられます。
おしゃれなカフェや雑貨店が多数あり、ライターもよく行く吉祥寺(きちじょうじ)が最寄駅です。

番外編・ 歌川国芳「東都三ツ股の図」(東京スカイツリー?!)
最後は、江戸時代にないはずの東京スカイツリーが描かれていると話題になった「東都三ツ股の図」。
作者の歌川国芳は武者絵で有名ですが、魚や道具、化け物、そして大好きな猫まで、さまざまなものを擬人化したユニークな作品も残しています。
さて、この絵の左側には、川の対岸に東京スカイツリーとそっくりな建物が見えます。しかもこの川は、実際に東京スカイツリーのすぐ近くを流れる墨田川。しかし、絵の橋は現在も残る永代橋なので、東京スカイツリーとは逆方向です。
そのことから、東京スカイツリーのような建物は井戸掘りのためのやぐらを誇張して描いたものだとする説が一般的です。
しかしそうは言っても、実際に墨田川越しにスカイツリーを見てみると、この浮世絵とよく似ていますね。

現地で浮世絵と全く同じ構図で写真を撮ってみるのも面白そう!東京観光の際は、足を延ばして浮世絵に描かれた風景を探してみましょう。
※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
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