close

公式アプリをダウンロード!

View View

WOW! JAPAN

【アート好き必見】近世・江戸時代のポップカルチャー「浮世絵」の世界

近世の江戸(東京)の大衆文化である「浮世絵」は、19世紀の西洋美術界などに多大な影響を与えました。今回の記事では、モネやゴッホなども魅了された浮世絵の魅力をご紹介!

浮世絵とは

江戸時代(1603年~1867年)に発達した風俗画の一様式。木版画によって大量生産できるため安価で販売され、庶民の娯楽として爆発的に広まりました。

主な技法

浮世絵は「絵師・彫師・摺師」との共同作業で完成するもの。最も一般的な制作手順としては、絵師が下絵を描画→彫師が絵柄を彫って版木を作成→各色ごとに作られた色板に摺師が彩色・和紙に一枚ずつ色を摺り重ねる→グラデーションを入れて完成となります。版画ではなく絵師が筆で描いた「肉筆浮世絵」と呼ばれるものもあります。

歌川広重「東海道五拾三次 掛川 秋葉山遠望」

浮世絵の流派

浮世絵の流派は、時代の流れとともに大きく4つに分類されます。
初期に登場したのは菱川派。菱川師宣は一枚絵として多くの浮世絵肉筆画を残し、その画風に憧れた者が弟子となり菱川派を形成しました。
次に登場したのは鳥居派。現代に至るまで300年以上続く唯一の流派です。初代・清信をはじめ代々芝居小屋の番付を手がけた流派で、役者絵の基礎を作りました。
浮世絵の流派は、さらに歌川豊春にはじまる浮世絵の最大流派・歌川派へと続きます。幕末から明治にかけて美人画、浮絵をもとに一大勢力を誇りました。
そして最後は、勝川春陽を開祖とする勝川派。役者の顔を描き分ける意識のなかった鳥居派の役者絵をさらに進化させ、より写実的な役者の似顔絵様式を確立しました。

主な題材

モチーフは、当時人気のあった花魁や歌舞伎役者、芝居に相撲、風景などのさまざまな風俗。有名人の死没に際する追悼絵や、国際貿易港開港の様子を伝えるものなど、時事報道としての機能も果たしていました。主な題材について、以下で詳しくご紹介します。

葛飾北斎「凱風快晴」



長谷川小信「摂州神戸海岸繁栄図」

名所絵(富士山など)

浮世絵のテーマの中でも人気の高かった名所絵。当時、庶民は今ほど自由に観光旅行ができず、許されていたのは参詣・参宮のための信仰上の理由での旅行のみ。日数もかかり旅費も高額なので、旅は一生に一度行けるかどうか、という庶民の憧れでした。江戸の民衆は名所絵を眺めながら、旅行気分を味わっていたのかもしれませんね。

歌川広重 「木曾街道六拾九次之内 草津追分」

役者絵

歌舞伎が庶民の娯楽として発展した江戸時代には、役者の動向やファッションなども庶民の注目の的でした。そのため、歌舞伎と同時に庶民の身近にあった浮世絵にも役者の姿が描かれ、役者絵という一つのジャンルが確立されたのです。役者絵に描かれたのは、当時の人気役者たちの舞台での姿はもちろん、楽屋での様子や日常の姿など。現代でいう芸能人のブロマイドのような存在でした。

歌川国政 「市川鰕蔵の碓井の荒太郎定光」

美人画

鈴木春信、喜多川歌麿、歌川国貞(三代目 歌川豊国)などの作品が有名な美人画。江戸の遊郭である吉原の遊女や、茶屋の看板娘など、実在した人物が数多く描かれました。遊女を描いた作品は、現代のファッション誌を楽しむ感覚で眺められていたそうですよ。

喜多川歌麿 「姿見七人化粧 鬢直し」

相撲絵

人気力士の肖像や取組はもちろん、食事や稽古などの日常生活まで、相撲にまつわるさまざまなシーンを描いた浮世絵が相撲絵です。 人気力士の立ち姿は役者絵同様にブロマイドのようですし、取組を描いたものは筋肉の動きがデフォルメされていて、写真とはまた違った迫力を感じさせます。
熱気あふれる相撲絵の中の力士たちを見ていると、当時の民衆がいかに相撲を愛していたかが分かりますね。

歌川国貞「鏡岩浜之助と狭布里宗五郎の取組」

歴史

初期(1657年~1764年)

浮世絵の創始者は「見返り美人図」で有名な菱川師宣。本の挿絵画家として活躍していましたが、やがて鑑賞用として一枚絵の版画を生み出し、それが浮世絵のはじまりとなりました。初期の木版画は黒一色でしたが、1700年頃には顔料で彩色した「丹絵」が誕生。その後、「紅絵」・「漆絵」・「紅摺絵」と徐々にカラフルな多色摺版画が制作されていきます。

菱川師宣「見返り美人図」(肉筆画)



鳥居清倍(とりいきよます)「市川団十郎の竹抜き五郎」(丹絵)

中期(1764年~1801年)

1765年頃には10色以上重ね摺りした鮮やかな「錦絵」が誕生。絵師・鈴木春信が彫師や摺師と協力して創始したもので、古典的浮世絵様式の完成形となります。江戸で評判の美女や恋愛など題材も広がりをみせ、この時代が浮世絵の黄金期といわれています。

鈴木春信「雪中相合傘」

後期(1801年~1868年)

1800年代は、さらなる主題の多様化(戯画・風景画・花鳥画など)をみせ、浮世絵の大衆化が進んだ時期。19世紀にはその市場は全国に広がります。また、19世紀後半〜20世紀初頭にかけて欧米でジャポニズムが流行。浮世絵の芸術的価値は高く評価されます。その影響はゴッホに代表される画家たちのみならず、文学者や音楽家、工芸意匠家などにまで広くおよびました。

歌川国芳「相馬の古内裏」



フィンセント・ファン・ゴッホ「タンギー爺さんの肖像」

代表的な浮世絵師

葛飾北斎(1760年~1849年)

浮世絵師のなかで最も長い70年余の作画期中を誇り、その間に画風を次々と変転。代表作は各地から望む富士山を描いた「富嶽三十六景」など。

歌川広重(1797年~1858年)

叙情性と親しみやすさのある風景画に優れた絵師。代表作は、諸国の風景・名所を描いた「東海道五十三次」や「名所江戸百景」。

喜多川歌麿(1753年~1806年)

「世界のウタマロ」と名高い、美人画の代名詞的な浮世絵師。「寛政三美人」などが有名。

東洲斎写楽(生没年不詳)

現存する約140点の作品を制作した期間が1794年から1795年の間のわずか10カ月間と推定されるほかは、伝記的資料がほとんど無いミステリアスな絵師。歌舞伎を題材に描いた役者絵や相撲絵が有名です。代表作「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」など。

浮世絵を鑑賞できる美術館

日本浮世絵博物館

100,000点を超える浮世絵と関連資料を所蔵する、長野県松本市にある博物館。19世紀の浮世絵に関しては世界最大の規模を誇ります。

入館料:1,000円

日本浮世絵博物館

長野県松本市大字島立字新切2206-1

すみだ北斎美術館

北斎生誕の地、東京・墨田区に立つ美術館。北斎作品の収集・展示・調査研究などを行っています。常設展示のほか、魅力的な企画展も開催。

常設展入館料:400円

すみだ北斎美術館

東京都墨田区亀沢2-7-2

太田記念美術館

世界有数ともいえる個人の浮世絵コレクションを展示している太田記念美術館。ラフォーレ原宿や表参道ヒルズなど、おしゃれなスポットが立ち並ぶ表参道にあるので、東京観光も兼ねて立ち寄りやすい立地です。
しかも、館内は喜多川歌麿や葛飾北斎、歌川広重といった有名な浮世絵師たちの代表作はもちろんのこと、浮世絵の始まりから終焉まで、その歴史を網羅的にたどれるほど充実した展示内容となっています。

企画展:700円~

太田記念美術館

東京都渋谷区神宮前1-10-10

中山道広重美術館

歌川広重の名所絵など約1,400点の所蔵品を、企画展で展示しています。先ほど記事内で紹介した広重の「東海道五拾三次之内 日本橋」も、こちらの美術館で見ることができますよ。
さらに、展示を見るだけでなく、自分で浮世絵に色を付ける「重ね摺り体験」が無料でできるのもこちらの美術館の魅力!有名な作品に色を付けて自分だけの浮世絵が完成したら、お土産として持ち帰れますよ。

企画展:510円

中山道広重美術館

岐阜県恵那市大井町176-1

美しい色彩と描写で、今も色あせることなく魅力をはなつ浮世絵。日本を訪れたらぜひ実際に鑑賞してみてくださいね。

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

人気ランキング

日本全国 × ジャンル

おすすめ特集

もっと見る

人気のタグ

もっと見る

人気のエリア

おすすめ記事

WOW! JAPANをフォローする
ガイドブックには載ってない?見てるときっと日本に行きたくなる。
WOW!な観光情報を日々更新中!