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知ればもっと面白い!日本の仏像の世界

2016.08.25

Writer name : HITODE 3

お寺には付き物の仏像ですが、どれも同じだと思っていませんか?仏像には、それぞれに込められた意味や役割があり、それがわかると仏像鑑賞がより楽しくなります。ここでは仏像の種類とその特徴などをご紹介します。

仏像はなぜ作られたの?

日本に仏教が伝来した当時(538年)、仏教の教えを説いた経典の文字が読めるのは高僧や貴族など一部の人だけで、仏教は一般大衆には縁遠いものでした。お経が読めない人でも一目見ただけで仏教の教えや、仏様の慈悲の心が伝わるようにと作られるようになったのが仏像です。仏教伝来以来、日本ではあらゆる人の苦悩を救うため数多くの仏像が作られました。仏像は大まかに「如来」「菩薩」「明王」「天部」の4種類に分類することが出来ます。

有名な鎌倉の大仏様は阿弥陀如来です。

如来

仏教の世界で一番偉いのが、「如来」と名の付く仏様です。如来とは、仏教における最終目標である悟りの境地に達したものという意味です。一般的に装身具類をつけず、薄い衣一枚をまとい、螺髪という渦を巻いた特徴的な髪形をしています。如来には、人々を極楽に導いてくれる「阿弥陀如来」や、心と体の病気を癒してくれる「薬師如来」、密教の世界(真言宗)のみに登場する「大日如来」などがいます。親指と人差し指でOKサインを作っているのが阿弥陀如来、左手に薬壺(やっこ)を持っているのが薬師如来、左手の人差し指を伸ばし、中指、薬指、小指で親指を握り、右手で左手人指し指を握り、右親指の先と左人指し指の先を合わせているのが大日如来というように、仏様の手のポーズ(印相)によって区別することが出来ます。また、脇侍(左右にいる仏)によっても見分けることが出来ます。

奈良県にある興福寺東金堂の薬師如来坐像(中央)

10世紀初頭に作られた仏像(ホノルル美術館所蔵)。手のポーズからこれが大日如来だということが分かります。

菩薩

「菩薩」とは悟りを求めるものという意味で、悟りを開こうと修行中の仏のことを指します。悟りを開く前の釈迦がモデルなので、胸飾りやブレスレットなどの装飾品を身に付け、髪を高く結い上げています。自ら修行中でありながらも、他者を救い、仏の教えに導く役割も担っています。救いを求めている人々をすぐに助けに行けるよう基本的に立ち姿で表されます。人間には欲望の数だけ苦しみや悩みがあると言われているため、様々な種類の菩薩がいますが、特に種類が多いのが、「観音菩薩」で、頭に小さな阿弥陀仏(けぶつ)を載せている「聖観音菩薩」や、11面の顔を持つ「十一面観音」、11面の顔と1,000本(42本に省略されたものもある)の手を持つ「千手観音」など、33ものバリエーションがあります。

京都の三十三間堂本堂に安置されている国宝「千手観音坐像」

明王

「明王」は修行する者を煩悩から守る仏で、悪をこらしめ、教化しがたい民衆を力尽くで仏の教えに導く役目を持つため、武器を振りかざし恐ろしい形相で表現されます。その他、背中に火炎を背負い、怒りに燃え盛る焔髪を持ち、上半身は裸、下半身には短い裾をつけているなどの特徴があります。数多い明王の中でもっとも有名な「不動明王」は、火炎光背をバックに、右手に剣、左手に邪悪をとらえるための投げ縄を持っています。不動明王、降三世、軍荼利(ぐんだり)、大威徳、金剛夜叉の各明王を合わせて五大明王と称します。明王の中で「孔雀明王」だけが例外的に武器を持たず、慈愛に溢れた顔で表現されます。

ニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する「不動明王像」(京都九品寺旧蔵)

天部

仏法と仏教世界の守護の役割を担っているのが「天部」です。もともとは仏教成立以前に民間で信仰されていたバラモン教やヒンズー教などの神々が仏教に帰依したもので、種類が多く、武将から福の神、女神まで揃っています。官服を着た貴人姿、鎧を纏った武将姿、鬼の姿など多様な姿で表現されます。代表的なものとして四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)、帝釈天、梵天などがあります。

京都の浄瑠璃寺の「木造四天王立像」のうちの一つ「広目天」(現在は東京国立博物館に寄託)

仏像は、印相や座法、持物の違いなどでさらに細かく分けることが出来るほか、時代によって様式も変化するので、仏像を鑑賞する際にはぜひ注目してみてくださいね。

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