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お寺に泊まる!京都の名刹・仁和寺の文化体験型宿泊施設を徹底紹介!

2018年5月、京都の名刹「仁和寺」が文化体験プログラムの予約を開始。1泊100万円という体験料で話題を呼びました。一体どんな体験ができるのでしょう?仁和寺のお坊さんに直接インタビューしてきました!

仁和寺とは

日本では、皇族が出家後に住んだ寺院を「門跡寺院」と言い、最高の寺格を示す称号の一つとして知られています。仁和寺はそんな門跡寺院の筆頭格。888年の開創以来1,000年もの長きにわたって、譲位した天皇や皇子・皇孫が住職を務めていました。

皇族にゆかりの深いことから、数々の貴族や文化人がこの地を訪れ、「仁和寺文化」とも呼ばれる一大サロンを形成。文芸、絵画、建築など幅広い文化の発信地として栄えました。その長い歴史の中で集められた社宝の数は、国宝12件(88点)を含め、全て合わせると10万点以上にものぼります。

現在は、京都屈指の観光名所として有名。境内には金堂や五重塔といった荘厳な建造物が立ち並び、世界文化遺産にも登録されています。「On the trip」という外国語(英語、韓国語、中国語繁体字、中国語簡体字)音声ガイドアプリを使用すれば日本語がわからなくても歴史や由緒を学べてオススメ。

仁和寺とは

京都府京都市右京区御室大内33

アクセス・拝観料

京都駅から市バス26番で約40分。またはJR嵯峨野線で花園駅下車後徒歩15分ほど。市バス10番・59番で京阪三条駅から約40分。巨大な門「仁王門」が目印です。

御殿拝観料:大人・高校生500円、中学生・小学生300円

仁和寺に文化体験型宿泊施設が誕生

そんな由緒ある仁和寺が訪日旅行を予定している富裕層向けに、文化体験プログラムを開始。詳しいお話を、仁和寺の長岡誠宏教学部長に伺いました。

問合せ先:info@weft-hospitality.com (担当:矢倉)

プログラムの概要

ーーまずこのプログラムの概要をお聞かせください。
「このプログラムは、日本財団主催の『いろはにほんプロジェクト』の一環です。1日1組限定1泊100万円(税抜)で、境内の『松林庵』という旧家屋に宿泊し、仁和寺独自のコンテンツを体験していただけます(※)」

いろはにほんプロジェクトとは、訪日旅行客を対象に、原則非公開である寺院などの歴史的建造物に滞在しながら、他では経験できない限定的な文化プログラムを提供しているプロジェクト。日本文化の価値を発見・認識し、日本に対する理解と文化財に対する関心を、国内外ともに高めてもらうことを目的としています。

※体験料は別途必要

松林庵とは

ーー宿泊施設の松林庵とは、どのような建物なのでしょうか。
「仁和寺にはたくさんの文化財がありますが、中には活用されないままになっているものもあります。松林庵もその一つでした」

松林庵は、茶室などの設えられた木造二階建築で、仁和寺にゆかりの深い「久富家」という名家から寄贈された由緒を持っています。シンプルながらも趣ある佇まいをしているのですが、長らく特定の用途がありませんでした。

ーーなぜこの建物を宿泊施設に選んだのでしょうか。
「松林庵は、室内に『太鼓橋(※)』が設けられるなど、遊び心があるユニークな造り。国の補助対象でないため管理維持が簡単ではありませんが、後世に残すべき価値を有しています。そこで日本財団のいろはにほんプロジェクトによって、宿泊施設として改修。有効活用する道を選びました」

※真ん中が半円状に反った橋のこと

伝統を未来へ!

太鼓橋などの元々の意匠はそのままに和モダンな空間としてリフォーム。家具も国産ブランドを中心にセレクトされています(室礼 小野意匠計画 小野由記子)。用途のなかった文化財が、上質な時間を過ごせる宿泊施設として生まれ変わったのです。

ーー文化財の再活用を意図してこのプログラムを開始したのですね。
「国の補助対象ではない文化財を有効活用し、その料金を日本文化の保護継承にあてるのも、いろはにほんプロジェクトの目的の一つ。仁和寺の場合、松林庵を改修して利用し、体験料の2割が全国の文化財保護のために使用されます」

仁和寺のプログラムは、いわば文化財保存修復の新しいモデル。伝統を未来へと繋いでいくための試みと言えそうです。

御殿で本物の日本文化を体験できる!

どんな文化体験ができるの?

ーーではこのプログラムでは、どのような文化体験ができるのでしょうか。
「こちらで具体的なプランを決めることはありません。世界文化遺産・仁和寺ならではのリソースを自由に用いて、思い思いの過ごし方をしていただけます。特に『御殿』を一晩貸し切っていただけるのが、最大の特徴です」

御殿とは歴代門跡(住職)が執務を行う空間。皇族・勅使が通る時や催事の際にしか開かない「勅使門」を有する格式高いエリアで、7棟の建物、2つの茶室、「南庭」と「北庭」という2つの美しい庭園から成ります。

ーーこの贅沢な空間を独り占めできるのですね。
「100万円という体験料は、松林庵での宿泊を含め、この伝統ある空間を占有する料金なのです。もちろん御殿だけではなく、他の文化財の拝観についても相談に乗らせていただきます」

宿泊者はどんな一夜を過ごすの?

ーー宿泊者は御殿でどのように過ごされるのでしょうか。
「前回の宿泊者は、庭園をライトアップさせ、『宸殿』という建物で和楽器を聴きつつ食事を楽しんでおられました。昔の日本貴族のような生活に『アメージング』と何度もおっしゃっていましたよ」

「宸殿」は御殿の中でも中心的な建物。まばゆい金屏風の貼られた王朝風の優美な空間で、儀式や式典を行っていた場所です。特に夜には照明が灯されて、幻想的な雰囲気が醸し出されると言います。

本物の日本文化がここにある!

ーー宿泊者のリクエストに応じて、唯一無二の体験ができるのですね。
「宿泊者には必ず事前ヒアリングをし、それぞれのプランを立てます。宮廷音楽・雅楽を聞いたり、生け花や茶道、写経をしたり。十二単(昔の貴族女性の正装)を纏って過ごすこともできます」

ーーどれも日常では味わえない風流な体験ですね。
「そのほかにも、静謐な雰囲気の中で水の流れる音とカエルの声に耳を傾けたり、月明かりで輝く庭の白砂を眺めたりといった過ごし方もできます」

日本文化に興味のある方には、たまらない体験ができると言います。御殿は日本人の知恵を五感で楽しめるよう趣向が凝らされた空間であり、本物の日本文化が息づいているからです。

仁和寺ならではのもの

ーーまさに由緒ある仁和寺だからこそですね。
「文化や歴史など、仁和寺ならではのものを、この機会に何かひとつ感じ取ってお帰りいただければ幸いでございます」

長岡さんはそう締めくくりました。このプログラムには、秋の行楽シーズンにも予約が入っていて、お月見をしながら僧侶の声明(仏教儀礼で使用される声楽曲)を聞くなどの体験を予定しているそうです。もしこの空間を独り占めできたらどんな一夜を過ごすか、考えてみるだけでもワクワクしますね。

御殿は日中は一般開放されていて、誰でも見学することができます。興味をお持ちになったら、ぜひ一度実際に足を運び、日本屈指の伝統と文化を体感してみてくださいね。

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

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