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京都で琳派の作品を鑑賞できる場所5選

2016.07.07

Writer name : HITODE 3

その成り立ちの独特さや、デザイン性の高さから海外でも人気の「琳派」。今回は、琳派誕生の地、京都で琳派と関わり深い場所や、琳派の作品を見ることができるスポットをご紹介します。

1. 琳派とは?

「琳派(りんぱ)」とは、桃山時代後期(16世紀末)に興り近代まで活躍した、同傾向の表現手法を用いる美術家・工芸家やその作品のことを指します。日本では古来より、美術や工芸の世界での絵師・仏師などは、家族による世襲か、厳しい師弟制度によって画風や技術が受け継がれていましたが、琳派の絵師たちは、基本的に血縁関係はなく、先行する世代の作品に対する憧れやリスペクトから、次の世代がその作風を継承していくという形で続いていったという点に特徴があります。本阿弥光悦と俵屋宗達が創始し、尾形光琳・乾山兄弟によって発展し、酒井抱一が江戸(今の東京)に定着させた琳派の芸術は、大和絵の伝統である優雅な美意識を保ちつつも、斬新な表現や大胆な構図を用いた、豪華絢爛かつ装飾性・デザイン性に優れた作風で、日本国内だけではなく海外の芸術家にも大変な影響を与えました。

2. 鷹峯(たかがみね)

琳派を語る上で忘れてはならないのが、琳派誕生の地ともいえる「鷹峯」。琳派の歴史は、今からおよそ400年前、光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領し、多くの工芸家、芸術家とともに「光悦村」を拓いたことから始まったとされます。 「光悦寺」はかつて光悦が庵を結んだ場所で、光悦の死後、日蓮宗の寺院となりました。割竹を荒い菱形に組み、上にさらに割竹をのせ、なだらかなカーブを描く独特の光悦垣はとても有名です。境内には大虚庵、三巴亭、本阿弥庵など趣のある7つの茶室が点在しています。そのほか鷹峯エリアには、「悟りの窓」「迷いの窓」で名高い「源光庵」や、光悦が土地を寄進して建てられた「常照寺」など、光悦ゆかりの場所が沢山。琳派の礎を作った光悦も眺めたであろう鷹峯三山(鷹峯、鷲峰、天峯)を眺めながらのんびり散策するのがおすすめです。


2. 鷹峯(たかがみね)


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3. 養源院(ようげんいん)

一介の百姓から天下人にまで上り詰め、「戦国一の出世頭」とも呼ばれる豊臣秀吉の側室であった淀殿が創建した「養源院」。こちらの見どころは何といっても俵屋宗達による襖絵「金地着色松図」と、白象、唐獅子、麒麟等が描かれた「杉戸絵」。「金地着色松図」に描かれた、地面から根を浮かせ、うねるように枝を伸ばした松は、今にも動き出しそうなほどです。また、「杉戸絵」に宗達独特の筆致で描かれた動物たちは、デフォルメされ、単純化されていますが、生き生きとした表情や躍動感あふれる構図は素晴らしく、宗達の傑作と言われています。宗達はこのほか、琳派の代表的イメージともなっている「風神雷神図屏風」(建仁寺蔵)も手掛けましたが、この構図は尾形光琳や酒井抱一など琳派を代表する絵師に受け継がれていきます。琳派のアイデアの源ともいえる宗達の作品、ぜひゆっくりと鑑賞してくださいね。斬新なデザインや大胆な構図など、後の琳派に与えた影響の大きさを知ることができますよ。


3. 養源院(ようげんいん)


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4. 妙顕寺(みょうけんじ)

琳派の第2世代を代表するのが、江戸時代中期(17世紀後半~18世紀初頭)に活躍した尾形光琳です。「琳派」という名称も光琳の名前が由来となっています。京都の裕福な呉服商「雁金屋」に生まれた光琳が本格的に画業を目指したのは、なんと40歳を過ぎてから。俵屋宗達の作品に強く惹かれた光琳は、宗達の作風を受け継ぎつつも、抜群のセンスで、優美で煌びやかな装飾性に富んだ独特のスタイルを確立しました。
その光琳ゆかりの地が妙顕寺です。寺内には趣の異なる3つの庭があり、書院前の庭園「光琳曲水の庭」は、尾形光琳の屏風絵「紅白梅図屏風」を元に作られたといわれています。宝物殿には光琳筆の「寿老松竹梅三幅対」などが所蔵されています。9院ある塔頭のなかのひとつ泉妙院には光琳と、陶芸家として有名な光琳の実弟・尾形乾山の墓があり、門の外から見ることが出来ます。


4. 妙顕寺(みょうけんじ)


公式ホームページ(日本語のみ)

5. 細見美術館

18世紀末から19世紀初頭にかけて、江戸では新たな様式の琳派が流行します。その牽引役となったのが、姫路城主の次男として江戸に生まれた酒井抱一です。尾形光琳に深く傾倒していた抱一は、光琳の模写を通じ、光琳の画風を学びました。琳派の特徴ともいえる華やかさやデザインの斬新さを意識しながらも、四季の情趣や、写実的表現など、それまでの琳派作品では控えめだった要素を積極的に取り入れ、新しい作風を確立し、「江戸琳派」の祖となりました。
岡崎の一角にある細見美術館は、酒井抱一や、その直弟子である鈴木其一、中村芳中など江戸琳派を代表する作品のコレクションで知られています。常設展示は行わず、年に数回、所蔵品を中心とした企画展を開催しています。ミュージアムショップで販売している、琳派の作品をモチーフにしたトートバッグや風呂敷などのグッズは、お土産にもおすすめですよ。


5. 細見美術館


公式ホームページ

6. 本法寺

1436年に創建された本法寺(ほんぽうじ)にある「三つ巴の庭(みつどもえのにわ)」は本阿弥光悦作の唯一の庭です。三箇所の築山で巴紋を表現することから「三つ巴の庭」と呼ばれています。巴とは渦のことで、過去、現在、未来が永遠に渦巻く法華経の教えを象徴しています。また、東南隅に石組の枯瀧が配され、縦縞紋様の青石によって流れ落ちる水を表現しています。一方、書院の縁側前には、半円を2つ組み合わせた円形石と、切石による十角形の蓮池が配置され、「日」「蓮」を表現しています。本法寺には光悦が制作に関わった美術作品も多く残されていて、それらは寺内の宝物館で鑑賞することができます。またこちらの御朱印帳は、重要文化財にも指定されている光悦作の花唐草螺鈿経箱をモチーフにしたとてもおしゃれなもの。参拝の記念に是非とも手に入れたいですね。


6. 本法寺


公式ホームページ(日本語のみ)

いかがでしたか?大胆な構図ときらびやかなデザインで人々を魅了し続けてきた琳派。現在も工芸品や団扇や和菓子など、様々なところで琳派の意匠は使われています。京の町をそぞろ歩きしながら琳派の面影を探してみるのもいいかもしれませんね。

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